8月のタイに続いて、9月の3連休で父と小学3年生の息子と青森・函館旅行に行ってきました。
以前行った瀬戸内国際芸術祭以降、船旅というものが、最近は好きで、そうすると自然と海を渡る周遊型旅行が選択肢となります。松山・広島旅行や小豆島旅行など瀬戸内海が中心だったのですが、今回は津軽海峡を渡る旅行となりました。
まずは弘前へ
名古屋からあさイチの7:20発、青森行きのFDAに乗便。9:30に青森空港に到着。人生初青森です。早速レンタカーを借ります。
青森観光というと、十和田湖が有名ですが、今回は1日しかないということで、移動時間が短い弘前をセレクト。
空港から40分ほどで弘前城横の「弘前ねぷた村」へ。当初見る予定は無かったのですが、駐車料金がタダになるということで、博物館を見学。
ねぷたというと大きな和紙の張りぼてが練り歩くことで有名ですが、弘前ねぷたは、扇形がメインということです。完成品の他に、針金と電球で作られている途中のねぷたもあり、興味深く骨組みを観ることができました。
あと金魚ねぷたも多数。これは江戸時代に金魚が幸運の象徴ということで、ねぷたにされたようです。
現存12天守のうち、日本最北であり、東北地方唯一の現存天守閣があるのが弘前城。桜の名所でも有名です。
城公園内には日本で最も太いソメイヨシノもあります。
さて、天守閣ですが、びっくり以前のあった場所から40mほど動かれていました。全く知らなかったですが、天守閣は堀の石垣の上に立っていたのですが、地震による石垣の崩落の可能性があり、なんと天守閣を動かし石垣の修復を行っているということです。
さらにビックリしたのが、この天守閣を動かすのは約100年ぶり、つまり明治から大正の時にも1度動かしたことがあるということ!
天守閣内でこの曳家工事の様子の展示があります。非常に面白い展示でした。
続いて田んぼアートへ
弘前から車で20分ほどのところにある田舎舘村という場所にあるのが田んぼアート。時々ローカルネタのニュースで取り上げられている場所になります。いわゆる田んぼに稲で絵を描くというもの。
各地で行われていますが、ここ田舎館村が発祥の地ということです。
まず村役場の裏の第一会場へ。入場料(大人300円)を払って屋上へ上ります。第一会場は、「門世の柵(棟方志功)」と「真珠の耳飾りの少女(フェルメール)」の2作品となります。
なかなかよくできています。(ちなみになぜ棟方志功推しなのかはのちほど)
町おこしとして始まったものですが、年々上達をしていく様子が役所内にパネル展示されています。さらに綺麗に見せるために遠近法を使い測量をして、稲が植えられているということ、10種類ほどの品種を使い分けて描かれていることなどを知ることができました。
第一会場から車で10分ほどで道の駅にある第二会場へ。
第一会場が田んぼの真ん中に道があるのに対して、一枚の横長の田んぼとなります。こちらに描かれていたのは「ONE PIECE」。展望台から見るのですが、大きすぎて写真に納まりません!
これまたお見事な出来栄えでした。
第二会場には石アートという稲の代わりに石を並べて作られた作品もあります。今年は、眼鏡のおじさん(実は、これまた棟方志功)でした。
青森県立美術館&三内丸山遺跡
今回の青森で行ってみたかったのが、青森県立美術館&三内丸山遺跡です。
この2つは隣り合わせの敷地にあります。
綺麗な青森県立美術館。青森県立美術館といえばなんといっても奈良美智です。こちらが「あおもり犬」になります。
おぉー、これを見たかったんです!犬のオブジェもですが、区切られた空も変わりゆく背景となり良いです。
ちなみに青森県立美術館の企画展も棟方志功!そう青森出身の名誉市民であり生誕120周年ということで、県内で棟方志功推しだったのですね。
コレクション展だけを見たのですが、県立美術館ということでコレクションも県内の作家中心、もちろん棟方志功もありました。
木版画なのですが、その多重刷りの工程が展示されている部屋が非常に面白い。
自画像の版画の色をどうのっけていくかがよくわかる解説(途中のものも味があり、。これは飾りたい!)でした。
されには奈良美智ルーム!奈良美智の推しのための美術館といっても過言ではない作りで、贅沢な展示をしています。屋内から見た「あおもり犬」、箱型の展示ルームは特に楽しかったです(部屋の穴から見るのが)。
青森県立美術館のあとに向かったのが三内丸山遺跡。数年前に「北海道・北東北の縄文遺跡群」として世界遺産登録されたものの中心的な遺跡になります。
これが良かった。ミュージアムは時間がなく駆け足だったのですが、ボランティアガイドとともに遺跡内を50分かけて回ったのですが、本当に素晴らしかったです。
おそらく研究生であろう若い男性の解説でした。
東京ドーム7個とも言われる超大規模な縄文遺跡。狩猟・採取・漁猟と耕作を行わずに、約1万年近く定住を続けていたということが奇跡的であること、いわゆる貯蓄ができないので平和な暮らしだったのではないか、集落から外につながる道路沿いに墓を設けたこと、一方子どもの墓は広場の近くにあったことなど、死が身近にあった環境について興味深く解説をしてくれました。
また三内丸山遺跡を残すことになった経緯(もともと県営球場を作る予定)も話をしてくれて、当時の知事の英断にリスペクトを感じる解説でした。
ぜひ解説付きの三内丸山遺跡、おすすめです。
駅前の人気店「おさない」へ
宿は青森駅前にとったので、その近くの夕食ということで、人気の定食屋「おさない」へ。
約30分ほど待ってやっと店内へ。ホタテ味噌焼き定食を食します。陸奥湾といったらホタテ!普通においしかったです。
ちなみに観光客向けではないカツ丼などのメニューもありこちらは700円程度と良心的な庶民のお店でした。
翌朝、青森港を散策
翌朝、フェリーまでの時間で青森港を散策しました。青森駅の北側に広がるエリアで、ねぷた資料館の「ワラッセ」やおしゃれお土産スポットA-FACTORY、駅前ビーチ(ちょっとした砂浜)もあります。
港には、八甲田丸の資料館もあり、かつての青函連絡船の線路跡、モニュメントなどもあります。時間があれば見学したかったです。
ちなみに終戦間近に当時の青函連絡船はすべて撃沈されています。北海道への大動脈だったのに……と思ってしまいます。
今の青森港は、ベイブリッジもかかり、公園もきれいに整備されています。しかし青森駅前で、この密度でやっていけるのか、地方都市の大変さを感じます。