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(映画)チョコレートドーナツ@センチュリーシネマ

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★★★★☆

 
現時点で今年、NO.1映画です。ぜひ多くの人に観てもらいたい映画です。レビューに若干ネタバレの要素もあるので、それ以外のところで。
この「チョコレートドーナツ」というタイトルが秀逸です。これほど映画を表している言葉はないと思います。ぽっかり空いた穴、とても甘いもの…。映画を観た後だとその意味がよくわかります。
 
 
 
(ネタバレあり)
70年代アメリカの実話を元にした映画。ゲイのカップルがドラッグ中毒の母親から育児放棄されたダウン症の子供を養子にもらおうとする話。
同性愛について偏見に満ちている時代(まぁ今でもでしょうが)。さらにダウン症という社会的弱者たちの間で起こった社会の片隅の物語。
ダウン症の子供は、魔法の国のハッピーエンドのおとぎ話とチョコレートドーナツが好きな子供。このおとぎ話を語りかけようとするシーンが毎回ジーンと来ます。しかし社会は冷たく、チョコレートドーナツのように甘くはない。この甘くない現実を、アランカミングの歌で、程よい具合にランディングさせているのがこの映画が秀逸なところでしょうか(このソフトランディングが鑑賞後も考えさせられる創りになっているのも確かでしょう)。
 

社会的弱者の闘いの物語

この映画に出てくるのは、同性愛、ダウン症、ドラッグ中毒、育児放棄…といった社会的弱者のワードである。彼らは「血」ではなく「愛」を求め与えしていた。社会的弱者だからこそ他人から「愛」を注がれることの嬉しさを知っており、「愛」を注ぐことの大事さをわかっていたのだと思う。
 
社会も法律も完全ではない。神様がいるとしたらなんて不完全な世の中を創ったのでしょう!と嘆かずにはいられない世の中。
後半、黒人弁護士が言った言葉。
 
ロースクールでは『正義』というものはないということを最初に学ぶ。それでも闘いを止めてはならない。
 
この言葉の通りの映画だったと思います。ぜひ映画館で。