シンガポール本、2冊目です。先の「物語 シンガポールの歴史」が硬派だったのに対して、本書は軟派な1冊でした。国の歴史的な流れを把握しているので、頭に入ってきやすかったです。
「物語 シンガポールの歴史」ではあまり触れられなかった、中国との関係(アヘン戦争あたり)については明確に解説されていました。
もうひとつ面白かったのが、シンガポールのDNAについての考察。200年前にラッフルズが上陸したときから、「自由貿易」都市として、まずは海運のハブになったシンガポール。
これシンガポールのDNAというのが著者の考えである。「ハブ」というコンセプトを海運にはじまり、空運、金融、人材、医療、製薬、エネルギー、データセンター、イノベーション、地域統括、R&Dという分野に展開し発展し続けようとしている。
ビジネスには「ヒト」「モノ」「カネ」と昔からいわれていますが、それに「情報」を加えてニュービジネスにも対応して成長し続けようという国家コンセプトということです。
一点、弱点があるとすると少子高齢化がすすんでいること。合計特殊出生率は1.15という低さであるという。国家は少子化対策をしているが、最終的には移民の受け入れという形で国家を存続させるしかないという方針が出されているという。
これももともと多文化、多民族の国であるシンガポールであれば、日本に比べれば導入がし易い政策であるでしょう。
こうしてみるとシンガポールって、興味深い国だなぁと思ってしまうのは僕だけなのでしょうか。
旅行中に本書を含めて読んだのですが、その国の知識をつけて、旅行すると見え方が変わってきて旅行の充実度があがります。