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(映画)アリータ バトル・エンジェル@109シネマズ名古屋~待望のキャメロン最新作!やはり極上のエンターテインメント作品‼

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★★★★

 

久しぶりに試写会というものに行ってきました。

学生時代に『タイタニック』を7回劇場で観ており、2009年のベスト映画に『アバター』を選んだ僕。ジェイムス・キャメロン プロデュース最新作ということであれば、これは観に行かずにはおれません。

 

今回は『銃夢』という日本のマンガが原作になります。

数百年後の未来。スクラップの山の中から奇跡的に脳だけが無傷の状態で発見されたサイボーグの少女アリータは、サイバー医師のイド博士によって新たな体を与えられ、目を覚ます。しかし彼女は、自分の過去や今いる世界についてなど、一切の記憶が失われていた。やがてアリータは、自分が300年前に失われたはずの最終兵器として作られたことを知り、そんな兵器としての彼女を破壊するため、次々と凶悪な殺人サイボーグが送り込まれてくる。アリータは、あどけない少女の外見とは裏腹の驚異的な格闘スキルをもって、迫り来る敵たちを圧倒していくが……。(eiga.com)

原作は未読でしたが、壮大な設定を的確にテンポよく描く手腕はさすがです。これだけのテーマを2時間できっちり収めており、見せ場も要所要所に配置するなど、極上のエンターテインメント作品として仕上がっています。

IMAX 3Dで鑑賞しましたが、”モーターボール”と言われる格闘球技シーンなど、やはりこの臨場感はIMAX 3Dならではでした。家のテレビではこうはいきません。映画館に求められる体験はこういうものはやっぱりこういうものです。

 

そして主人公のアリータの魅力。モーションキャプチャの上に、CGを重ねてつくられたこの少女は、どことなくオリエンタルであり、日本人として親近感を湧かせてくれます。瞳を大きく加工されており、これがアニメ的でもあります。

 

マーベルとはまた違ったSFワールド。その差は、支配する側と支配される側、父と子の物語、機械と人間、 アリータの自己発見の物語など多層的に繰り広げられる世界観でしょう。

 

さて、どんなエンディングになるのでしょうか。

 

www.foxmovies-jp.com

(読書)一瞬の夏/沢木耕太郎

割と昔から好んで読んでいる沢木耕太郎。著者の初期の代表作ということで読んでみました。

主人公は、カシアス内藤という元東洋ミドル級王者。挫折したカシアスの再起をかける様子がつづられている。ただ普通のノンフィクションと違う点は、著者自身が体験した物語であるということ。解説ではそれを「私ノンフィクション」と表現していて、ルポであり、私小説でもあるという文体で綴られています。

これは深夜特急にも言えますが、著者の感情、見方が生々しく語られており、通常のルポでは味わえないものとなっています。

 

著者が若かりしころということで、本書の中で、そのときの心情が吐露されています。

それが自分の真の仕事だとはどうしても思えなかったのだ。人は誰でもそのような思いを抱きつつ、結局はダラダラとその仕事を続けて生きていく。(中略)私は、ジャーナリズムというリングの中でやはり戸惑いながらルポタージュを書いている、四回戦ボーイのようなものだ。

また、若いからできたであろうその行動力には、圧巻です。

オバケといつかは待っている奴の所に来たためしがない。

というフレーズが書かれていたが、中途半端な内藤に最高の時を作り出してあげれないものかと試行錯誤し、東洋チャンピオン戦のマッチメイクを作っていくくだりは、面白くてページを読む手が止まりませんでした。

 

中途半端だった内藤、最後に得たのは内藤ではないかというエンディングも、これまたその時代、年齢だったからこそ感じた感情だったのかなぁと思ってしまいます。

ボクシングには全く興味がなかったですが、何かをやり遂げるその感情にふれる本書はやっぱり面白かったです。

 

一瞬の夏(上) (新潮文庫)

一瞬の夏(上) (新潮文庫)

 
一瞬の夏(下) (新潮文庫)

一瞬の夏(下) (新潮文庫)

 

 

 

 

(読書)都市と地方をかきまぜる 「食べる通信」の奇跡/高橋博之

政治家で、岩手県知事選にも出馬した著者。知事選で落選後に手掛けたのが、本書のタイトルにもなっている「食べる通信」というWEBサービスでした。

この「食べる通信」では、農家の人と都市の消費者を結びつける。どういう風にして農作物・畜産物を作っているのか、とっているのかを記事にしつつ、食材も届く。

 

ストーリーを知って食べるということ。

 

本書では、「関係人口」というワードを使って、地方と都市の関係を述べています。この関係人口というのは、少し前に読んだこちらの本にも出てきました。

lifeisashowtime.hateblo.jp

 

共通するのは、移住を目的とするのではなく、まず地方と関わってもらうというスタンスです。そのうえで移住が出てくればラッキーということになります。

著者が考える現代社会について

本書の面白いのは、「食べる通信」についての記載が少な目であるということ。実は、著者の現代社会への考察の方が大半をしめます。

結構、的を射ているところが多かったですので抜粋しておきます。

都市住民の虚無感

  • 仕事が細分化され自分が駒のように感じてしまう「存在意義喪失型」
  • パソコンの前での仕事で実体に触れずに何をやっているのかわからなくなる「やりがい喪失型」
  • 自分の仕事は自然や他者を搾取したうえで成り立っていることに気づき後ろめたさを感じる「正義希求型」

いずれも豊かさがもらたした成人病である。

よくまとまっています。自分自身なんとなく感じていた都市生活の不安要因はこういうことですね。

 

自立とは多様な依存先があること

ある障害者の言葉として紹介しています。都市生活では、コミュニティが希薄になり、都度都度の関係で成り立っています。自己防衛のために、関係を切ることができるようにもしている。これは人間関係ですら消費するものということと著者はしています。

一方は、人間は社会的な動物と言われるように、他者との関係を求めるものでもあり、顔の見える関係を欲している。それが2枚目の名刺を持って活動することにつながっているとしています。

 

子どもが欲しくない理由は、「子育て・教育で出費がかさむ」よりも男性では「感じていることは特にない」女性では「自分の自由な時間がもてなくなる」が上回っている。子どもに興味がない、子どもにかける時間とお金があれば自分にかけたい、つまり、子どもを産み育てることの価値が昔に比べて下がり、そうした生き方が社会に許容されつつあるということだ。そしてこの数字の裏には、自分たちの思い通りにならないものへの拒絶、敬遠があると私は思うのだ。

この考察を読めただけでも本書を読んだ価値があります。少子化はずっと続く大問題ですが、こういう見地は初めて接しました。妻にいうと確かに、と納得していました。

自然(社会もですが)は、人智を超えた思い通りにならないものだらけです。それがわかって接するれば、子育ても楽になるのではないかなぁと思っています。

 

食を通じてみる、現代社会の問題点の考察エッセイだとおもえる本でした。

 

taberu.me

都市と地方をかきまぜる 「食べる通信」の奇跡 (光文社新書)

都市と地方をかきまぜる 「食べる通信」の奇跡 (光文社新書)

 

 

(読書)残り全部バケーション/伊坂幸太郎

久しぶりの伊坂幸太郎小説です。5個の短編小説からなる短編集。ただ当たり屋稼業の主人公が共通して出てくる(1篇だけはほぼ出てきませんが…)。

1つ1つはバラバラの5つの話がうまく結びついて、1冊が出来上がっています。さすがという構成でした。

どれもスカッとするつくりは、著者の長編にも共通します。

お気に入りは、4つ目の子どもの頃の回顧録である『小さな兵隊』。そしてその回収にもなる5つ目の『飛べても8分』。ラストのフレーズには、痺れました。

ぜひ映像化してほしい作品群でした。

 

残り全部バケーション (集英社文庫)

残り全部バケーション (集英社文庫)

 

 

(映画)マスカレード・ホテル@109シネマズ名古屋~ホテルならではの群像劇とミステリー

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★★★

大ヒット上映中の『マスカレード・ホテル』を観てきました。平日の午前の回でしたが、多めのお客さん。ヒットしているんですね。

 

CMではキムタクの刑事役と長澤まさみのホテルマン、そして東野圭吾原作というのをウリにしています。

本作の見どころとしては、まずはホテルという場所で起こる群像劇だったと思います。事件に関係のあるものないもの含めて、さまざまな人物が登場します。それは、ホテルという場所が「仮面をかぶったお客様がすごす場所であり、従業員はそのことに気づきつつも触れない」場所を表しています。

ホテルのこうした面にスポットを当てた作品も多いですもんね。

 

正直、ミステリーとしては、うーんと思う部分もありました。ただ上記の群像劇の流れの上での事件だと思いえば、まぁこんなもんかとも思えてきます。

 

もう一つ見どころは、長澤まさみ!個人的に大好きなんで……。やっぱりスーツ姿の長澤まさみも良いですね。足綺麗だし……。

 

さて今回のマスカレード・ホテルの舞台になったホテルを調べてみました。エンドロールにありましたが、東京・水天宮にある「ロイヤルパークホテル」がロケ地のようです。

そんなに高くなさそうなので、東京出張の時に泊まってみようと思います。

www.rph.co.jp

 

masquerade-hotel.jp

(読書)関係人口をつくるー定住でも交流でもないローカルイノベーション/田中輝美

タイトルに惹かれて読んでみました。

移住・定住を目的とせずに地域にかかわってもらう人を増やすというコンセプト。人口増ではなく(地域に関わる)人材増を目指す。結果として定住・移住するならなお良しとしているのが関係人口のプロジェクトとなります。

こうした地域活性プロジェクト(特に都会で)にかかわる人の特徴は、①ふるさと難民②ゆくゆくは移住③もやっとピープルの3つに分けられるとしています。

特ににふるさとを持たない①層、もともと地方出身だった②層、そして自分探し的な③層が参加してくるという。

 

著者が島根県出身ということで、「しまコトアカデミー」という活動を紹介しています。そのアカデミーでは冒頭、島根県の人口は71万人、東京は1300万人。分子をあなた自身である1を置いて、分母を人口とした場合、1人の重みが大きいのは島根である」ということを説明するそうです。

この考えには、うまいこというねぇと感心してしまいました。一人一人の役割、影響が大きいのは地方なのですね。東京(や大企業)では社会の歯車と感じてしまう世代(上記でいうもやっとピープル)には、非常にささるのではないでしょうか。

そんな本書ですが、残念なのは、この「しまコトアカデミー」の紹介に終始してしまっていること。もっと他の地域の紹介もしてほしかったです。

 

関係人口をつくるー定住でも交流でもないローカルイノベーション

関係人口をつくるー定住でも交流でもないローカルイノベーション

 

 

(読書)もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら /岩崎夏海

今さらながらですが、中古本であったので読んだ「もしドラ」。

小説で読みやすく、2時間ほどで読んでしまえます。導入としては入りやすいし、小説としてもまぁ、よくある青春映画的な感覚のつもりで読めば納得できます。

本書で取り上げられている”マネジメント”要素

せっかくなので、本書で取り上げられているドラッガーの『マネジメント』の要素を抜き出しておきます。

 

マネージャーの仕事は、体系的な分析の対象となる。(中略)しかし学ぶことができない資質、後天的に獲得することのできない資質、始めから身についていなければならない資質が、一つだけある。才能ではない。真摯さである。

根本は、真摯さということは本書で繰り返しでてきます。真摯に向き合うことが本質ということです。

 

マネジメントは、生産的な仕事を通じて、働く人たちに成果をあげさせなければならない。

仕事には「働きがい」が必要である。働きがいをあたえるには、①生産的な仕事、②フィードバック情報、③継続学習が不可欠である。

マネジメントは、ヒトを使って成果を最大限にあげることを目標とします。そのためにはヒトをどう動かすかによります。そのためには責任をもたせ、話を聞き、それを繰り返すことが重要ということです。

 

専門家にはマネージャーが必要である。(中略)自らのアウトプットが他の者のインプットにならないかぎり、成果はあがらない。(中略)組織の目標を専門家の用語に翻訳してやり、逆に専門家のアプトプットをその顧客の言葉に翻訳してやることもマネージャーの仕事である。

専門家の知識を組織内(お客さんにも)どう伝えるかが重要。

 

人のマネジメントとは、人の強みを発揮させることである。(中略)組織の目的は、人の強みを生産に結び付け、人の弱みを中和することにある。

人を生かす。これができれば組織のマネジメントは成功と言えます。そのためには組織の個々の強みを把握し、やる気を出さる必要があります。

 

事をなすには一人の力では限界があります。より大きなことをなすためには他人に働いてもらわないといけません。ついてきてもらう方法、協力してもらう方法を考えないといけません。

 

真摯に向き合うことから始めようと思います。