今年、セリーグ三連覇を目指すカープ。そんなカープの球団25年目にしての初優勝だった1975年が舞台。中学1年生の転校生とその同級生、そしてまわりの大人たちの物語。
中学生という多感な時期、そして父子での夜逃げ同然で広島にやってきた主人公。本書の魅力は、思春期のスタンドバイミー的な要素に加えて、カープの熱量に留まりません。
1975年という、戦後30年という年。広島には原爆の爪痕が残っていました。加えて日本にまだ貧しさが残っていた時代。
戦争について、時代について描かれているところが、本書のもうひとつの魅力でしょう。
1975年はまだ僕も生まれていません。ただカープがその昔も今も市民に愛されていることは変わりません。
おととし日本シリーズを観に行ったことを思い出しながら読了しました。
2016年は25年ぶりのリーズ優勝。しかし日本シリーズではこうも日本一というのが難しいのかと思いました。そして2017年もリーグ優勝をしながら、クライマックスシリーズで敗れます。
この日本一がこれほど遠くにあるのもカープらしいですね。シーズンもいよいよ後半戦。今年こそは!