気になっていた音楽本です。
著者は、普段はコンサルティングをしているマーケッターのようで、音楽業界の外にいる人のようです。
この本のポイントは、夏フェス、その中でも特に何かと軽視されがちな「ROCK IN JAPAN FES」に注目して掘り下げていったことでしょう。フェスについて考察した本はいくつかありますが、やはりピックアップされるのは、フジロックになります。
そこをロッキンにフォーカスするあたりは、やはり観客目線なのでしょう。
実際、ROCK IN JAPAN FESの最大の特徴は、観客がどう思うかというところに視点が置かれています。本書ではそれを「協奏」として綴られていますが、過剰なまでなお客様主義にあります。クレームをなくす、快適に過ごすという点においては、ROCK IN JAPANは他のフェスよりも頭一つ抜けています。
それが音楽に興味がなかった人も足を運ぶ夏のレジャーとなり、フェスバブルがはじけずに続いていることにもつながっているのでしょう。
本書ではコンサルタントらしく、プラットフォームとしてのフェスを考察したり、フェスにおける「音楽」と「その他コンテンツ(フードとか装飾とか)」の立ち位置とかを考えています。
これらは、フェスに通う度に肌感覚ではわかっていたことですが、それを分かりやすく文字化されていました。
なかなか面白い1冊でした!