Life is a showtime

やりたい事とか日記とかをつれづれなるままに……

(読書)80's エイティーズ ある80年代の物語/橘玲

いつも独特のドライな切り口が魅力である著者。「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」で衝撃を受け、それ以降もたびたび読んでいる作者です。

 

元雑誌の編集者であったらしいということは知っていましたが、顔写真もなければ、素性もよくわかならい。そんな著者の自伝的な本になります。

 

ドフトエスキーに衝撃を受け、ロシア文学を専攻。就職先で新橋の零細な出版社に就職。ギャル雑誌の立ち上げ。海外宝くじ事業に関わったり、フリーの編集者として出版社に出入り。子育て。宝島社でのサリン事件の関わり。

 

社会の底辺に”本当の姿”があると信じていた時代。そしてサリン事件あたりまでが、著者の青春ということで、それがひと段落ついた今、改めて書き留められた記憶。

著者も書いていますが、記憶というのは都合の良いように書き換えられます。これは著者から見た世界であるということを前提にしつつ、それでも一つの時代を体感できる1冊でした。

 

あとがきのように、著者が関わった方々のその後が書かれています。一代で財をなし、潰していった人たちが多いのは業界柄のせいなのでしょうか。

一方で離婚した妻や大きくなった息子は、それなりに充実した人生を送っているようです。

 

青春を振り返った著者は最後にこう述べます。

 

振り返ってみれば、バカな頃が一番面白かった。だけど、人はいつまでもバカではいられない。そういうことなのだろう。

 

大袈裟に言うならば、きっと、そういうことなのだろう。