Life is a showtime

やりたい事とか日記とかをつれづれなるままに……

(映画)52ヘルツのクジラたち~その声が届く人がいるという物語

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★★★☆

「市子」ですっかりファンになってしまった杉咲花主演。

“52ヘルツのクジラ”とは、他の仲間たちには聴こえない高い周波数で鳴く世界で1頭だけのクジラのこと。海の中で鳴き続けても届くことはない。

本作は、家庭に人生を搾取されてきたキコ(杉咲花)のもとに、家庭虐待を受けた「ムシ」と呼ばれる少年をかくまうところから話が始まる。

その後、キコの過去が描かれ、家庭を飛び出すきっかけを作ったアンさんや親友、恋人との物語と繋がる。

 

家庭虐待、家出、格差、トランスジェンダーなどこの世界の嫌なものが詰め込まれた映画でした。

「キリコ(キコ)には心から幸せになってもらいたい」というアンさんの気持ち、クライマックスと涙なしでは観れません。

 

「市子」で幸薄役をやらせたら最強女優になった杉咲花は、またその魅力を存分に発揮してくれました。

まじではまり役でした。

 

あなたの叫ぶ声、誰かに届いている。そう信じたい世界がありました。

 

gaga.ne.jp

(映画)夜明けのすべて@109シネマズ名古屋~どこまでも優しい世界で。

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★★★★

 

PMS月経前症候群)のせいで月に1度イライラが止まらなくなってしまう藤沢さん(上白石萌音)。同じ会社で働くパニック症候群を患った過去をもつ山添くん(松村北斗)。

二人の恋人でも友人でもない同僚というか同志のような絶妙な関係が見事でした。

 

どこまでもやさしい世界。

 

映画の中の世界では、みんなどこかしら闇を抱えている。それを自分も周りも受け入れる。そんなやさしい世界。

移動式プラネタリウムが出てきますが、夜明け前が一番暗いというフレーズが印象的でした。

号泣ではない、やさしい涙が出る映画でした。

 

yoakenosubete-movie.asmik-ace.co.jp

(旅行)父子で行く東京

 

4月から息子が中学生になるということで、もう旅行なんて行ってくれないだろうなぁっと思い、最後だというつもりで週末の1泊2日で東京旅行に行ってきました。

旅行に行くと決めたのが金曜日の夜ということで、バタバタとプランを練った次第です。

スカイツリー&浅草

息子には、東京って人が多いこと、外国人もいっぱいいるということを知ってもらおうと、まずはベタにスカイツリーへ。

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当日でも、リロクラブで予約すると少しお安くなりました。

かなり観光客が多く、また風のためエレベーターの台数を規制していたこともあり、上りも下りも大混雑……。エレベーター待ちで30分ほどかかったかなぁ。

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それでもスカイツリーの上からの眺めは素晴らしかったです。快晴で遠く富士山も見えたり、本当にマッチ箱のようなどこまでも広がるビル群は、これが世界有数の人口集積の都市TOKYOということがわかります。本当ならば夕刻~夜に来たかったです。そうすれば昼の面と夜景と二つの楽しみ方ができたのですが…。

 

続いて、地下鉄で浅草へ。浅草で個人的に行ってみたかったのは映画『PERFECT DAYS』で出てくる居酒屋「浅草やきそば 福ちゃん」という場所。

浅草駅のサビれた地下街にあります。ここだけ戦後が残っており、地上の喧騒が嘘のように人がいません…。

せっかくたずねたのですが、閉まっていました……。

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仕方なく、気を取り直して神谷バーの洋食屋へ。こちらも混んでおらずサクッと入ることができました。鉄板ナポリタンにあわせて、電気ブランを飲ませていただきました。

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これまた少し前に読んだ『琥珀の夢』に出てきていましたね。息子からは「昼からお酒を飲むなんて」という冷たい目を感じました。

 

昼食後はせっかくなので雷門&浅草寺へ。

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本当に外国人だらけ。多すぎですね。最初、宿を浅草で取ろうと思ったのですが、かなり高く結局新橋で宿を取りました。一昔前までは浅草は安めだったのですが、インバウンドですっかり値段が上がってしまいましたね。

日本科学未来館&チームラボ プラネッツ

浅草から新橋まで地下鉄で移動、ゆりかもめに乗り換えて、お台場の日本科学未来館へ。久しぶり(10年ぶりぐらい?)に訪れました。子どもは興味津々な展示が多かったかなぁ。

新幹線の中で、3Dの上映プログラムを予約しておいたものを鑑賞。17:00の閉館まで滞在しました。

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日本科学未来館の後、同じくお台場にある今回のお目当てだったチームラボプラネッツへ。本当は虎ノ門ヒルズにできた新しい施設の方に行きたかったのですが、予約を取れずお台場の方となりました。

こちらも外国人が多いこと!70%は外国人ではないでしょうか。

入場の人数制限を設けての入場でしたが、確かにこれは面白い。

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鏡と映像というチームラボの定番ネタに加えて、目・音・香と合わせて何といっても水の中を歩くという体験が一番の刺激的でした。これって子どものころは普段やっていたものなのですが、それを大の大人がやることで感性が戻されるというのでしょうか。

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ちょっと商売っ気が強いよねというのもわかるのですが、エンタメとして楽しいことには違いありません。

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1時間半ほどでしたが面白い体験をすることができました。

 

2日目は、芝公園東京大学旧岩崎邸庭園から

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2日目は、芝公園からスタート。スカイツリーも良いですが、東京タワーも好きです。

 

続いて、東京大学へ。

こちら赤門。

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安田講堂

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そして三四郎池。

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三四郎池では、ここに夏目漱石もいたのかということを思いを馳せました。近所の人が犬の散歩で来ていたりとこういう雰囲気いいですよね。

ちなみに東大の研究棟では、ゴシック調の建物を見かけました。これだけで品格が漂いますね。

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東京大学の後に向かったのは、個人的に楽しみにしていた旧岩崎邸庭園になります。鹿鳴館の建築家として有名な英国人ジョサイア・コンドルの設計の建物で重要文化財に指定されています。

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東京大学のとなり、湯島にある広大な敷地。都会の喧騒とは隔離されています。当時珍しい木造2階建ての建物。バルコニーやサンルーフ、ジャコビアン様式の装飾が、当時を偲ばせます。

(息子はキョトンでしたでしょうね)

 

『君の名は』のラストの須賀神社&『バケモノの子』の渋谷スクランブル交差点

続いて『君の名は』のラストシーンで描かれた須賀神社男坂へ。

いや、これですよこれ。

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遠くに富士山があった気もしましたが、方角が全然違いました。

須賀神社の参拝もしましたが、神主さんが外国人に英語で説明されているのを聞いて、こんなところも外国人が訪ねてくるのだと感心してしまいました。

 

さらに『バケモノの子』でも出てくる渋谷スクランブル交差点へ。

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こちらも外国人も多い!ハチ公前なんて記念撮影の行列になっていました。お上りさんのようにスクランブル交差点を行ったり来たり……。

ちなみに渋谷で行きたかったSHIBUYA SKYは早々に展望券が売り切れになっていました

残念。

 

東京という街

今回1泊2日で東京観光をしました。毎回思いますが、東京はあまりにも大きく、広くとても回り切れません。今回でも残念だったは『ダイアログインザダーク』というプログラムを息子に体験をしてもらいたかったのですが、会期途中でNGでした。これは機会を見つけてまた参加しに東京に連れていきたいと思います。

首都ならではのアクティビティ、例えば国会議事堂や日銀の見学なんかも行きたい。

 

通勤電車が嫌いなので住んでみたいかというとそうでもないが、ウィークリーマンションとかで数か月滞在してみたいとも思う。

人が集まることでできるパワーを感じる街が東京。

たまに行くと刺激をもらいます。

息子にも刺激になればいいのだけれど。

(読書)人口で語る世界史/ポール・モーランド

マルサスの『人口論』を突き抜ける事象が、19世紀にイギリスで起こる。農業革命とそれに続く産業革命に由来する。

農業革命で土地あたりの農作物の収穫量が増える。産業革命はイギリス外で生産された農作物を物流という形で調達できるようになった。

 

イギリスから始まった人口爆発は、ヨーロッパ諸国、アメリカ、ロシア、日本、中国、インドと伝播していく。本書では、覇権のひとつの大きなファクターとして人口があるとしており、おそらくその通りなのだろう。

若い世代は好戦的であり、覇権を広げる。

 

イギリスから始まった人口爆発とその後にある高齢化と人口停滞につながり、その先頭を行くのが現在日本である。

東アジアが老いつつある中で、未知なるライジングとして本書が最後に指摘しているのがナイジェリアである。

2100年はおそらくナイジェリアが今のインドのような立ち位置になっているのでしょう。

 

 

(映画)カラーパープル@109シネマズ名古屋~黒人同士を中心に家庭内暴力・虐待・女性蔑視を描いた作品

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★★★

スティーブン・スピルバーグが1985年に手がけた同名映画をミュージカル映画としてリメイクした「カラーパープル」を観てきました。

 

ほとんど前情報なく観たのですが、黒人VS白人という要素も一部あるのだが、それよりも黒人間の家庭内暴力や虐待、女性蔑視などを描いた作品だというのが意外でした。

 

黒人で女性という弱者の中の弱者ですが、それでも同じ境遇でも強く生きている人たちも出てくる。その中では時には痛い目をあう女性もいる。しかし主人公セリーは、どこかそのように強くは生きれない。

ただそれでも生きなきゃという深い信念を貫いていました。

 

生きなきゃ

 

それがミュージカルとともに全面に(それも前半から)でている映画でした。

 

wwws.warnerbros.co.jp

(映画)哀れなるものたち@伏見ミリオン座~欲について考えさせられる一本

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★★★★

 

本年度アカデミー賞最有力作品ということで早速観てきました。

”ゴッド”と称されるサイコな外科医によって、赤ん坊の脳と大人の身体を持って再生されたベラ。体と頭が追い付いていない状況から、それが頭が体に追いついていく様子が一種ファンタジー的に描かれていました。

 

まずもってエマストーンが凄い。アカデミー賞主演女優賞間違いないでしょう。子ども時代のベラ。性の目覚めたベラ(ここでカラー映画になるあたりは失笑)。知に目覚めるベラ。自分の生きる道を見つけるベラ。

そこにあるのは冒険心、知らないものを知りたいという欲求、自分が見ている世界ではない世界があることを知ったときの衝撃(アレクサンドリア)など、人が持つ知識欲が詰め込まれていました。

 

一方、マーク・ラファロ演じる弁護士は、一般的にいうと男性的な欲と常識に縛られた人物として描かれています。

自分にないものをもつベラ(その天真爛漫ぷり)の虜になり、最初は支配しようとするが、手に負えなくなり、逆に虜になってしまい、破滅まで付き合ってしまう。フィクションとしては笑っていられますが、どこか自分と共通する部分もあると思っていまいます。

一歩間違うとそうなる危険性は誰にでもあるわけで。

 

2時間20分という映画の中で、ある女性の幼少期~成人までの心の成長ぶりを味わえるというのは非常に面白かったです。

 

女性の解放というフェミニズム的視点で語られることも多い作品ですが、ファンタジーというベールのつつまれた人の欲について見事に描いた作品でした。

あと衣装・美術も素晴らしいです。こちらもアカデミー賞取るでしょうね。

 

www.searchlightpictures.jp

中学受験を終えた息子へ。

息子の中学受験が終わりました。2年半の塾生活を経ての受験でした。塾では、勉強の仕方と面白さに気づいたようで、受験が終わった日も塾に行きたがっていました。

これだけでも塾に行った甲斐があったというものである。

ただテスト自体をゲーム化しているきらいもある。まぁ日本の受験のシステムでは、大学受験まではそれでもクリアできると思いますが。

 

もともと算数が得意で、小学校6年秋より休止していた公文式の算数(すでに数学)も再開を希望しており、パッパと高校生過程まで終わらせたいという。公文式の賛否もありますが、彼の中で一つの自信にはなっているようです。

本も大好きで、受験が終わったら好きな本を10冊買ってあげる約束をしていました。

 

結果としては、第一志望は不合格で、第二志望へ進学することになりました。

そんな息子へ父からアドバイス

 

これから青春です。楽しいことも辛いこともある。でもその時を思いっきり楽しんだ方が良いです。もう親は、あなたに構いたくても構えません。親にできることは、金銭的なサポートとあなたの人生が幸多きことを祈ることぐらいです。

保育園の時、小さかったあなたと二人で熊本と大分に旅行したのを思い出します。阿蘇山のドライブウェイでは、チャイルドシートが外れて、後部座席で転がっていたっけ。最後の別府温泉では母が恋しくて宿から電話してたっけ。

そんな思い出をくれただけでも十分親孝行です。

 

世界は広く、未知なるものに溢れています。辛いことも悩むこともあると思いますが、それ以上にとても楽しいものです。

 

気を付けて、だけど恐れずに