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(読書)35歳の幸福論/清原和博

現在35歳の僕。ということで、どうしても「35歳」という文字を見つけると手に取ってしまいます。

本書は、元リクルート社員で、その後民間から和田中学という公立中学の校長になった著者による人生の幸福について書かれたものです。

15のキーワードで表される人生

本書では15のキーワードで人生をあわらしています。
 
哲学の場として「真」「善」「美」
自己実現の場として「遊」「学」「働」
生活基盤の場として「衣」「食」「住」
肉体の場として「老」「病」「欲」
感情の場として「怒」「哀」「楽」
 
この15のキーワードの軸は生活基盤の部分で、この部分が大きいと安定すると。その上の部分が「理性と行動」の領域、下の部分が「感情とカラダ」の領域ということです。
これらを配置した三角錐を上下に2つくっつけたもの(本書ではダイアモンドアップルと言われています)が人生そのものであるということです。人格とはこのアップルが出す、香り・匂い・芳香だと。
 

本書からの気になったエピソードを

この15のキーワードが綺麗にまとめられているのに、なぜか本書ではバラバラとした著者の人生経験談が途中の大部分を締めます。15のキーワードに紐付けてはいるのですが…。
もちろん人生経験豊かな著者ですので、いくつか役に立ちそうなエピソードをピックアップしておきます。
 
 
結婚の問題が述べられていますが、最後に住宅の問題に言及しています。日本では4人家族を前提に社会が成り立っていると。子供が3人以上の家族には大胆な優遇策を取るべきだということです。
 
◾︎病気との付き合い方
 
これは多くの病気になったことがある人が言われますが、病気をきっかけに人生をリストラした方がよいとのこと。
 
◾︎社外コミュニティの重要さ
 
これもよく言われますね。名刺が通用しない世界での自分を作ることの重要性。ななめがけの大切さを説いています。これは子育てにも活かすべきとも。
 
◾︎オリジナルの時計を作ったエピソード
 
諏訪の時計職人と共同で自分が企画した時計を作ったエピソードがありました。これは素敵ですね。
 
◾︎アーティストに自分のために絵を書いてもらったエピソード
 
これまた素敵なエピソード。普通に絵を買うのではなく、若いアーティストのパトロンとして自分の家族をモチーフに絵を書いてもらうエピソードがありました。これはちょっと真似てみたい。
 
 
幸福は人それぞれといいます。しかし本書のいうダイアモンドアップルが世の中という川にどう流れて行くかという客観的視点はわかるような気がします。35歳という年齢は、熱中するには歳を取りすぎ、人生も半ばに差し掛かって、終わりが見える年齢に差し掛かったということなのだと思います。
 
35歳の幸福論 成熟社会を生きる12の戦術

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