日本の国民食、カレー。
インドで生まれ、イギリス経由で日本に入ってきた。カレー通として名を馳せる著者が「では日本に最初に入ってきたときのカレーは、どんなカレーだったのか」という疑問に迫る物語。
開港した日本の港町をまわり、その先にイギリスへ行く。そしてそのために会社まで辞めてしまう。えぇーと苦笑いする結末……。
カレーの知識も得ることができますが、本書の根本的な面白さは著者のその探求への物語。なんとも軽いタッチでかかれるその探求の物語は、旅行記か冒険記のようです。
働きながらも、別のこと(カレー)でも顔がある人生。羨ましくも思ってしまいます。
ところどころに著者は学生時代、バックパック旅行でフラフラしていたエピソードが出てきます。おそらくそれが人生の根底に流れているのでしょう。それが魅力的に思えます。
ちなみにニューヨークのホステルの話が一瞬出てきます。そのホステルに僕も1週間程度滞在したことを思い出し、何とも懐かしい、親しみがわいてきました。
そう、何かを探す、ワクワクした旅行に行きたいなぁ。