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外国に行けない今読む旅行記~地上に星座をつくる/石川直樹

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登山家・冒険家・写真家である著者の7年間の旅のエッセイをまとめた一冊。

ヒマラヤ、ユーコン、南米、シベリア、そして国内の各地を巡って感じたことが、著者の感想とともにつづられています。

その文体が自然で、まるで旅先が日常の延長線上のようにつづられています。実際、ヒマラヤから帰ってきて日本の方が体調が悪くなるという記述もあったります。

つまり、著者にとって旅先こそが日常であるということが分かります。だから冷静に、日常を描写するように綴られているのでしょう。

まるでエッセイストが日々のちょっとしたことを綴るように。

 

著者の旅先でヒマラヤとともに多く登場するのが知床。最近、海難事故のニュースがある地です。

僕自身、一度北海道東部を旅行した時に、標津から羅臼峠を越えてウトロに入りました。この羅臼峠の急なこと!ふもとから見ると晴れ間に雲がかかっている程度。しかし車で峠に差し掛かると濃霧、一気に山を下るとオホーツク海というなんとも変化の激しいドライブだったことを思い出します。

著者はそんな知床の縦走もします。国内でヒマラヤに近い過酷な環境ということで選んでいました(クマとの遭遇の話が書かれています)。そんな過酷な自然が残る地域が知床です。

今回の海難事故は人災の要素が多分に報道されています。人の方がちっぽけという、地球本来の地で起こった事故。

実際、我が家も知床観光船には乗船したこともあります。あの時、船の上からみた自然(クマもいました)からすると、この地は人間がお邪魔させてもらっているという地域なんでしょうね。