3年に1度の現代芸術の祭典である「あいちトリエンナーレ」。今回が3回目の開催になります。今年は、名古屋市内と岡崎と豊橋の3か所が会場となっています(豊橋が今回から)。
8月11日から会期が始まっており、やっと全会場をみてきました。
お気に入りの作品紹介
全体的に有名アーティストがいないと思われる(すみません素人で)今回のトリエンナーレですが、その中でお気に入りの作品をいくつか紹介していきます。
まずは、今回のビジュアルになっているジェリー・グレッツィンガーの作品。愛知県芸術劇場の入り口に飾られています。非常にフォトジェニックです。空想上の地図ということで、地図好きな僕にとってはずっと見ていられる作品です。
ジェリー・グレッツィンガー | あいちトリエンナーレ2016
続いて今回3作品&ベロタクシーのデザインプロデュースしている大巻伸嗣さんの作品から。僕のおすすめは「損保ジャパン」ビルの暗闇の作品。15分の間に暗闇に目が慣れてくるとなんとなくわかってくるその展示。ちょうど見えてくるのが15分という絶妙な設定。これは体験の価値あり。
愛知県美術館の作品もフォトジェニックで今の時代にはぴったりかと思います。
毎回面白い長者町エリア。今回は??な作品が多かったのですが、1つあげるなら、北九州ビエンナーレの展示作品のチャールズ・リムという人の映像作品。二重人格のリムが語るの作品がもうシュールすぎて……。歩き疲れた体に訳が分からない具合で刺さってきます。
*キャンディ・ファクトリー・プロジェクト | あいちトリエンナーレ2016
岡崎地区からは期間限定展示の「アーキテクツ・オブ・エアー 」を挙げたいと思います。
エアバルーンのなかに入る体験なのですが、これが心地のいいこと。そして非常にフォトジェニックな写真がとれます。ぜひ寝転んでみてください。心地よすぎて寝てしまいそうです。こちらは10月16日(日)までの展示となっています。こういう体験型の展示って楽しいです。
アーキテクツ・オブ・エアー | あいちトリエンナーレ2016
今回初めて登場した豊橋会場。実はこの豊橋会場が一番面白い!ということで豊橋会場から2つピックアップしたいと思います。
まずは、水上ビルからラウラ・リマの作品。ビルのなか1棟まるまるが鳥かごになっているという作品。ビル内に100羽の小鳥がはなたれています。止まり木もありますし、建物を上下左右に飛び回る鳥たちとの体験はこれぞ現代アート!
もう一つピックアップするなら開発ビルの中にある久門剛史の作品でしょうか。暗闇の中でのリングの展示、そして時計のミラーボールの展示は素晴らしかったです。こういうのがわかりやすくていいですね。
これぞトリエンナーレの醍醐味が味わえる豊橋会場が面白かった!
今回、全体的に一般の人も知っている現代芸術家がいないのがつらいところですが、それでも豊橋会場が本当におススメです。
PLAT会場に展示されている大巻さんの光と影の作品も素敵です。
さらに水上ビルでは上のラウラ・リマの作品以外にも、イグナス・クルングレヴィチュスの尋問をテーマにした映像作品もインパクト大です。
作品自体も面白いのですが、展示している水上ビルという建物自体が魅力的です。川の上に建てられた長屋である水上ビル。それは高度経済成長の面影を感じます。
また開発ビルのビル全体を使った展示方法も面白かったです。一旦10階まであがり、階段で降りてくるという展示方法はなかなか楽しめます。
駅からの回遊性の高さもポイントです。また市電が走っていたり、やはり花火屋さんが多いことなどを再発見したりします。街を歩いて魅力を再発見するのもトリエンナーレならではの面白さです。
『アートよ、美術館を出よ。街へ出よ』
せっかく芸術の秋ですので、小旅行ついでに行ってみるのが良いかと思います。