★★★☆
現代版ロスト・イン・トランスレーションというのでしょうか。東京という街を舞台にした役所広司演じるトイレ清掃員の日々を描いた作品。
規則正しく、繰り返される生活。その中で木漏れ日のようにささやかな波が日常に押し寄せる。そのささやかな波のある日々を映画にした作品。
本当に美しい映画でした。東京には色々なユニークな公共トイレがあること、スカイツリーと下町が混在する東京。炉端の居酒屋と都市高速。ロストイントランスレーションは、東京の山の手側を描いた映画ですが、本作は下町を描いている。
この下町の面白さを外国人的な視点を入れつつ、日本的にも違和感のない範囲で描く。禅にも通ずるような日本。それは下町にもあり、トイレにもある。外国人が見た日本像なのでしょうか。
それに答える役所広司の演技力。言葉少なくても表現をしています。
あと音楽(そのほか本なども)がオシャレです。公式サイトcollectionとしてまとめられていますので、チェックしてみると本作が考えるカルチャーというものを味わうことができます。