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(映画)透明人間@109シネマズ名古屋~久しぶりの映画館体験!映画館で観るに限る映画でした

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★★★★

コロナ禍ですが、ポツポツと新作が公開され始めています。そんななか評判が高い映画「透明人間」を観てきました!

 

透明人間というあるあるの設定ですが、これがかなり面白い。見えていない相手とどう対峙するか。

画期的だったのは、見えていないものを見えているように、どう見せるかという視点。

 

ストーリーもよく、主人公をどう社会的に抹殺していくかという点も面白かったです。

そして不穏な音楽。これぞ映画館でみるサスペンス映画!冒頭からドキドキしっぱなし。「ドントブリーズ」にも似た感覚でした。

映画館最高!という映画を観ることができました。

toumei-ningen.jp

(読書)芸処名古屋

 地域の歴史を知ることは大事。そんなことを以前「デザイン あ」でとあるデザイナーさんが言っていました。

さて、本書は僕の住む名古屋の文化的な面をひも解く1冊でした。といっても単元ごとにまとめられているので、1時間もあれば読み切ってしまいます。これで1600円も取る?という内容でしたが……。

 

つまるこころ名古屋は非常に豊かな土地だったということが言えます。それは木曽三川によって運ばれた豊饒な土地があったためです。本書によると三種の神器の「草薙の剣」が熱田神宮にあるのは、尾張は豊かだったためヤマトが敵に回すことができなかったためではないかと書かれていました。

また京にも近く、そして江戸時代には江戸と京の間にもあったこと、宮の渡しがあったため必ず足止めをする宿場になったことなど町が発展する要素がありました。

家康は名古屋に町をつくり、名古屋城と熱田の町を堀川で結びました。

そして徳川宗春に開放的な政治によって芸が花開いたということになります。

(それも現在では、オリジナリティの少ない町となり、残念な状態だと思いますが……)

 

よく名古屋は閉鎖的、大いなる田舎といわれますが、この根本的な理由は尾張地方がそれなりに豊かだからだと思います。愛知県は農作物出荷においても実は日本有数の県です。自動車をはじめ工業も発達しています。そして人口も750万人とかなり多い。

つまり愛知県(あるいは東海地区)のマーケットで成り立っているのですよね。それがコンサバティブ的な人の考えにつながる。

 

よそ者である僕から見ると、このあたりが問題だと思うのですが……。

 

芸処名古屋

芸処名古屋

  • 作者:名古屋市
  • 発売日: 2020/05/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

(読書)松竹と東宝 興行をビジネスにした男たち/中川 右介

松竹兄弟と東宝、宝塚を含む阪急グループの創業者の小林一三の物語。

京都の劇場の売り子からスタートし、歌舞伎を舞台にまずは京都の劇場を買い占め、大阪に進出、そして東京進出を果たした松竹。歌舞伎座を手に入れたことで、歌舞伎界の頂点を手に入れた。そこから歌舞伎を広げるという活動をした松竹兄弟。そして舞台は歌劇、映画へと分野を広げていきます。

 

一方、慶応義塾大学卒で銀行出身の小林一三阪急電鉄を作るということで鉄道畑から興行の世界にも伸ばしたのが小林。興行界では宝塚を作ったことからスタートします。歌劇において第一人者である小林は、その財力もあり日比谷を拠点に東京進出を果たします。

 

松竹対東宝の戦いは、歌舞伎だけではなく、歌劇、映画、野球などに及びます。おそらくビジネス的なセンスはやはり東宝の方がうまかったと言わざる負えません。実際、野球、歌劇においては、最終的には東宝に軍配があがることになります。(映画はともに残っていますが、現在は東宝一人勝ち、野球はともに売却してしまっています)

 

大阪出身で京都の大学に行っていた僕としては、本当に面白い1冊でした。新京極のあたりの劇場の跡地には、映画館がいくつか建っていたので土地勘もわかります。もちろん道頓堀もイメージができます。

そして阪急でなじみがある小林一三。キタを作った人です。なんといっても箕面電気鉄道を作ったときに何もない土地をみて宅地開発を思いつく、天才的発想を思いつくわけです。個人的に一番尊敬するビジネスマンです。

小林が財界とは別で、愛情を注いでやっていたのが宝塚から始まる興行になります。これが東宝グループにつながります。本書でも書かれている通り、小林は、文芸や芝居が好きだったことが書かれています。東宝は、ひとりの好きな人が愛情をもって起こした会社でもあります。

愛情という意味では松竹も同じですね。

 

歌舞伎の世界は詳しくありませんでしたが、それを除いても、興行の世界の食うか食われるか、そして栄枯盛衰がわかります。

ちなみに本書の最後に歌舞伎の衰退が書かれるとともに、テレビの登場で映画界は大打撃を受けましたと書かれています(最近は盛り返していますが)。そんなテレビもインターネットの登場で衰退期に入ってますけど…。

 

 

(読書)タモリと戦後ニッポン/近藤 正高~稀代のMCと戦後日本史を重ね合わせた面白い1冊

40数歳の僕としては、タモリのデビュー当時を知らない。あくまでも「いいとも」の人である。それも途中からはマンネリと言われていた時代を知っている。

若いときは、彼の何が面白いのかがわからなかった。しかし、赤塚不二夫の弔辞に感動し、ブラタモリを好んでみるようになったのは、自分が年を取ったからでしょうか。

 

本書は、そんなタモリと戦後日本史を重ね合わせた非常に稀有な作品になっています。これが本当に面白く、読み応えがある。

サブカル的要素が多分に含まれており、それは著者がその畑のライターだったこともあるのでしょう。ただそのリサーチ力はあっぱれです。

 

本書を近現代史としてとらえると面白かったのは満州の部分。タモリの祖父母は満州で暮らしていました。僕の中のイメージでは、満州というのは寒く、灰色で、暗く戦争の影が付きまとうものでした。

しかしタモリは家族から満州の開放的で先進的だった思い出を聞かされて育ったという風に記されています。

当時の満州は、あくまで新天地であり、一旗上げてやろうという気概にあふれた実験の場だったようです。「満州に比べ、日本は暗く陰湿な村社会のつまらないこと」という風に、幼いころから聞かされていたということです。つまり日本を客観的にみる目はこうしたことから始まったのではないかというのが著者の見解です。

これは自分の思い込みと違う部分で、非常に新鮮でした。

 

タモリは「場の芸人」として、国民的番組のMCを務めます。「夜の芸人」だった彼のこの才能を見出したプロデューサーもまた凄いところです。こうしたメディア史としても面白いのが本書。

ちょっとサブカル好きの方にはおススメの1冊です。

 

タモリと戦後ニッポン (講談社現代新書)

タモリと戦後ニッポン (講談社現代新書)

  • 作者:近藤 正高
  • 発売日: 2015/08/20
  • メディア: 新書
 

 

(読書)サムライカード、世界へ/湯谷 昇羊~JCBはどうやって世界に出て行ったのかを知る本

実は、カード会社にも就職活動をしていた僕。昔からクレジットカードが好きなんですよね。この本は、JCBがどうして国際カードを目指したのか、どうやってなしえたのかを記録したものになります。

 

それはやはり日本がバブルを受けて、世界に出て行った時期にかぶります。やはり経済力を持つと強いです。「JCBを入れると、日本人が買い物をしますよ」というストーリーで売り込みます。

読んでいて痛快なのですが、あわせてこれが2020年においても行えるのかなぁと思っています。そして当時のJCBの快進撃は、現在の銀聯カードの快進撃にかぶります。

 

日沈む国、日本。

 

そう思ってしまうのです。

 

 

(読書)近江商人の哲学「たねや」に学ぶ商いの基本/山本 昌仁

 昨年、近江八幡にある「ラ コリーナ」に行ってきたときに置いてあったので、気になって読んでみました。たねやの社長による経営哲学の本。

近江商人というと「売り手よし、書い手よし、世間よし」の三方よしが有名ですが、それを現代版に落とし込んで経営している様子がわかります。

キーワードとして「本物志向」「売り切れならそれでいい」「田舎には田舎の闘い方がある」「本業から離れない」「地域の一員として役割を果たす」といった金言が並びます。

個人的に印象に残ったのは、たねやの哲学がつづられた「末廣正統苑」の中に、

「走るなかれ、されど止まるは尚愚かなり」

という言葉があるということです。

商売にはスタートがあってもゴールはないということ。長いスパンで考えることの重要性が説かれています。

伝統ある会社ならではの、次の世代に繋ぐことの大切さを伝えるいい言葉ですね。

 

本書全体的にも具体例が満載なので、読んでいて面白かったです。

 

(読書)宇宙のウインブルドン/川上健一~サーブだけで世界一を目指すという設定をやってみた話

実は40年近く前のテニス小説。サーブだけは世界一という主人公が、それだけを武器にウインブルドン優勝を目指すという話。

よくまぁこんな設定を思いつくなぁというのがまずの感想。児童小説なのか、本当にサクサク読めます。テニスのルールなどを少しだけ知っていれば楽しめます。

 

まぁ無茶苦茶といえば無茶苦茶ですが、それはそれで良し。何も考えなくて読める小説。今度、小学生の息子に読ませてみよう。

 

宇宙のウィンブルドン (集英社文庫)

宇宙のウィンブルドン (集英社文庫)

  • 作者:川上 健一
  • 発売日: 1988/07/20
  • メディア: 文庫