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(読書)最後のトリック/深水 黎一郎~「読者が犯人」という究極のトリックをやってみた実験作

以前、ビブリオバトルで紹介されていた作品。

「読者が犯人」というミステリー界の究極のトリックが題材となっています。そんなことは、不可能だ!という声が聞こえてきますが、ある設定をすればそれは可能ということになります。

 

読んだ結果は、まぁなるほど……という感じでしょうか。おそらく感嘆に至らなかったのは、その設定が、わかるようなわからないようなというところにあるのではないでしょうか。ただそんなことをいうと、山奥の別荘もノンストップの特急列車という状況も通常ではありえない設定ということなので、この設定についてケチをつけるのはナンセンスなんでしょう。

おそらく、頭ではこの設定も受け入れないといけないというのはわかっているのですが、読者を巻き込む時点で、それは本の中の虚構と現実がつながってしまうところに??を感じてしまうのではないかと思われます。

 

ただ理論的には、わかるわけですし、その果敢な挑戦作ということで、一読の価値はありです。

 

それよりも面白かったのは、作中に登場する超能力の研究をしている大学教授のお話し。

動物は、コミュニケーションの方法として、超音波などの方法を使っている。人類はより安易な言葉によるコミュニケーションに頼ったため、そうした能力が退化したのではないかというお話。

ちなみに人類の次の進化あるのであればコミュニケーションの方法による進化というのが、この教授の持論でした。

 

このツールとしての言語という考え方が面白かったです。

ちなみに妻にそれをいうと、おそらく動物がもっているそうした伝達能力では、伝達量が少ないのではないか。人類は、子どもの養育期が長いので、より伝達量が多い言葉によるコミュニケーションを選択したのではないかということを言われました。

クールな妻でなによりです。

 

最後のトリック (河出文庫)

最後のトリック (河出文庫)

 

 

 

(読書)夏フェス革命ー音楽が変わる、社会が変わるー/デイジー

コロナ禍でエンタメ全滅の中に、気になっていたので読みました。

おそらく、コロナ前に読んでいればかなり腑に落ちたのではないでしょうか。著者は全く音楽業界ではなく、外からの考察で、ここまで考えられているのはなかなか素晴らしいです。

主にロッキンオンを中心にした夏フェスについての考察でしたが、あくまでお客さん目線においてはプロということなのでしょう。

この本が書かれたのは2017年でした。なので、考察としては、音楽好きのためのフェスから、音楽+αとしてのフェス(夏祭りや花火大会、ビーチなどと同列)の定着という流れ。インスタ映えや参加者との協奏としてフェスという考察あたりまでがまとめられていました。

このあたりは非常にわかりやすかったです。

 

何かの本で読みましたが、過去において、テクノロジーによって音楽は形を変えてきました。

録音メディアが登場するまでは、ライブが基本でした。その後、パッケージ産業の発達でスタジオ録音で、コンセプトアルバムなんてものが作られるようになりました。カラオケブームでは、サビが重要視されましたし、フェスが登竜門となるとフェスで盛り上がる四つ打ちが多用されました。YOUTUBE&サブスク時代になると、サビが頭にくるような曲が多くなっています。

 

パッケージビジネスの行き詰まりから、ライブに活路を見出した音楽産業。

さて2020年。この世の春を謳歌していたライブ産業がまさかのコロナ禍で壊滅状態となっています。オンラインでの模索も続きますが、これはこれでどうなのでしょうか。

僕自身、いくつかチケットを買ったりして、観てみましたが、どこか物足りなさを感じるのはなぜなのでしょうか。

この物足りなさを改善すればオンラインイベントは定着するのでしょうか……。

そんなことを考えながら読んだ1冊でした。

 

夏フェス革命 ー音楽が変わる、社会が変わるー

夏フェス革命 ー音楽が変わる、社会が変わるー

  • 作者:レジー
  • 発売日: 2017/12/11
  • メディア: 単行本
 

 

(読書)騎士団長殺し/村上春樹~画家という媒体を通して、”伝える”ことについて、考えること

自宅待機の日々なので時間ができ、読書の時間が増えました。今回は、お気楽に小説を読みたいなぁと思い、ずっと読もうと思っていた村上春樹の最新長編『騎士団殺し』を読んでみました。

 

数々の村上春樹作品を読んでいますが、本書は読みやすい!その理由は、主人公が「私」の1人称で進むから。そして村上春樹お得意ワールドのエッセンスが詰まったあらすじでしたので、良くも悪くも予想をしながら読むことができました。

それでも決してつまらないわけではなく、文庫本4冊を5日ほどであっという間に読破できました。

 

主人公「私」は肖像画を描く画家。絵を描くということを、”何か”を画家という媒体を通して描かれるということを感じました。それは村上春樹作品によくある、自分という自己が薄い主人公であるから成り立つのかなぁと思って読んでいました。

当初は画家という媒体を通して”何か”を描くということ発想を楽しんでいましたが、エンディング近くになるにつれ、実は”画家”ということに限らず、”人間”というもの自体、実は意味なんてなく、”何か”を伝えていくということなんだということを感じる作品になっています。

 

著者は、”伝える”ことの大事さを表現したかったのかもしれません。

あと主人公のような自己をあまり出さない主人公をカッコいいと思ってしまうのは、青春時代に著者からの影響が大きい僕だからなのでしょうか。

 

 

騎士団長殺し(新潮文庫) 全4冊セット
 

 

(読書)日本酒ドラマチック 進化と熱狂の時代/山同敦子

日本酒に関わることが増えて、お店の方に勧められて読んだ本。

基本的に、著者による蔵元や酒販店の方へのインタビューで構成されています。基本的に、新進気鋭の方がセレクトされています。

 

日本酒蔵の多くは小さな個人経営的な会社で作られているのがわかります。それでも世界に通用するものを作っているというのは素晴らしいことですよね。個人的にここに日本酒の魅力があるわけですし、飛躍の可能性を感じるのです。

 

最近、日本酒を飲む機会も増えてきたので、メモ代わりに本書で取り上げられている銘柄を列記しておきます。

次に買う時に参照したいと思います。

 

日本酒ドラマチック 進化と熱狂の時代

日本酒ドラマチック 進化と熱狂の時代

  • 作者:山同 敦子
  • 発売日: 2016/05/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

(映画)ルドルフとイッパイアッテナ@AmazonPrime

映画『ルドルフとイッパイアッテナ』公式サイト

★★★

 

引き続き、自宅映画鑑賞です。

 

誤って飼い主と離れ離れになってしまった黒猫、ルドルフ。トラックに乗り込んでしまい岐阜から東京まで来てしまいます。

そんな野良生活で兄貴としたうようになったのが、色々な名で呼ばれている猫「イッパイアッテナ」。

この「イッパイアッテナ」はなんと人間の文字が読めるという設定。昔の飼い主が教えてくれたという。はたしてルドルフは飼い主のもとに戻れるのか……。

 

児童文学作品の映画化ということで、子どもでも楽しめます。また”友達の大切さ””いつだって一人ではない”といった教訓的なこともしっかり詰まっています。

その中でも一番は、イッパイアッテナが言う、

「絶望とは愚か者の行いだ」

という言葉ではないでしょうか。

 

いつも心に希望を。

 

rudolf-ippaiattena.com

ルドルフとイッパイアッテナ

ルドルフとイッパイアッテナ

  • 発売日: 2017/02/22
  • メディア: Prime Video
 

 

(読書)トレバー・ノア 生まれたことが犯罪! ?/トレバー・ノア

アメリカのコメディアン、トレバーノアの自伝。

妻が読んでいたところ、面白いということで僕も読んでみました。

 

アパルトヘイト政策下の南アフリカで、アフリカ人の母と西洋人の父の間に生まれ、純粋な黒人でもカラードでも白人のグループでもなく、マイノリティだった彼。

日本では考えられないような環境下で育った彼。それが当たり前の中、素晴らしい母に育てられる。母は敬虔なカトリック教徒で厳しいが、それでも息子をひとりの人間として扱って育てます。

 

全編通じて非常に読みやすい(訳者が良いのもあるでしょう)。そして明るい!

アパルトヘイトという無茶苦茶な逆境下で、このような明るさを持ったのは、やはり母による影響が大きかったのでしょう。

 

最終章のビックリするような展開も驚きです。ぜひコロナ禍で不安があふれる中、”希望”として読んでみてもいい一冊でした。

 

トレバー・ノア 生まれたことが犯罪! ?

トレバー・ノア 生まれたことが犯罪! ?

 

 

(映画)あと1センチの恋@AmazonPrime

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★★★☆

 

引き続き、AmazonPrimeで映画鑑賞です。

幼馴染の2人のラブコメ

それぞれの結婚、出産、浮気、離婚とサクサク話がすすみます。ここまで手際よいとなんだか笑えてきます。人生いろいろな分岐点があるなぁと思いますが、深く味わう余裕もなく展開が進んでいきます。

お気楽ラブコメならではですね。

コロナ禍で鬱な時期にはこれぐらいでさっぱりした映画の鑑賞がいいのかもね。

個人的には同様の映画だと「アバウト・タイム」がおすすめです。

lifeisashowtime.hateblo.jp

こちらもAmazonPrimeであるので、ぜひご鑑賞を。

アバウト・タイム ~愛おしい時間について~ (字幕版)

アバウト・タイム ~愛おしい時間について~ (字幕版)

  • 発売日: 2015/04/10
  • メディア: Prime Video
 

 

 

あと1センチの恋(字幕版)

あと1センチの恋(字幕版)

  • 発売日: 2015/08/02
  • メディア: Prime Video