昨年、近江八幡にある「ラ コリーナ」に行ってきたときに置いてあったので、気になって読んでみました。たねやの社長による経営哲学の本。
近江商人というと「売り手よし、書い手よし、世間よし」の三方よしが有名ですが、それを現代版に落とし込んで経営している様子がわかります。
キーワードとして「本物志向」「売り切れならそれでいい」「田舎には田舎の闘い方がある」「本業から離れない」「地域の一員として役割を果たす」といった金言が並びます。
個人的に印象に残ったのは、たねやの哲学がつづられた「末廣正統苑」の中に、
「走るなかれ、されど止まるは尚愚かなり」
という言葉があるということです。
商売にはスタートがあってもゴールはないということ。長いスパンで考えることの重要性が説かれています。
伝統ある会社ならではの、次の世代に繋ぐことの大切さを伝えるいい言葉ですね。
本書全体的にも具体例が満載なので、読んでいて面白かったです。