この夏からAmazonで話題になっており読んだ本。教育を経済的(というか統計的)な視点から分析した本。
統計的な視点から見ると…
この本、非常につくり方がよく、重要なところはページ上部に要約がまとめられています。それらを備忘のために書き出しておきます。
- 勉強を諭す言い方としては「今、ちゃんと勉強しておくのはあなたの将来のため」という言い方が正しい
- ご褒美でつる「目の前の人参」でもOK
- ご褒美は結果に対してではなく、インプットに対して行うべき(本をよんだら、1時間勉強をしたら)
- 褒める時は能力ではなく、具体的に達成した内容を褒める
- 1日1時間まえのテレビやゲームは問題ない
- 男の子なら父親、女の子なら母親が関わると良い
- 「勉強しなさい」などの声がけのようなお手軽な方法は効果がない
- 平均的な学力の高い友達の中にいると自分の労力にもプラスの影響がある
- 習熟度別学級がとくに大きな効果をもたらすのは学力の低い子
- 少人数クラスは、20人以下でないと効果がない
- 引越によって負のピアエフェクトとの切り離しという方法も
- 人的資本への投資は小さいうちが効果的
- 非認知能力(自制心・やり抜く力)はしつけや努力の訓練によって養われる
といったようなことがデータとともにまとめられています。教育迷信の逆の論もあれば、やはりということもあります。
4歳と1歳の子供を持つ親としては、最後の非認知能力をつけさせることが大事なんだと再認識しました。
教育論は経験で語られている
ここ日本の教育論は、個人も含めた経験から語られていることがほとんである。著者は、様々なデータを持ってきて、分析しているのが本書の根幹です。
多くはアメリカを中心とした海外のデータとなっています。残念ながら日本は倫理的問題からかデータがほとんどありません。
限られた予算を効率的な使い方を考えるために経済学の視点が大事と本書は結んでいます。
主観的経験ではなく、客観的データから
やはり統計学は最強の学問なのでしょうか…。