★★★☆
遅ればせながら『未来のミライ』を観てきました。公開当初からネット界隈では叩かれていた本作品。
確かに予告編のイメージからいくとこれは詐欺だ!!!と思ってしまいます。そう妹であるミライちゃんの未来は、いくつかあるエピソードの一つにしかすぎません。
これは「クンちゃん」の物語なのです。クンちゃんの過去(祖先)から未来までが描かれています。
本作は主人公の家にある樫の木がみてきたこの家の過去と未来を紡ぎます。
ここに生命がいるという不思議。
それは葉があり枝があり幹があり、そして根が同じように地中に広がっている樹木のような家系図の中にある物語。
おそらく親となった細田監督自身が感じたことを映画にしたのでしょうね。これは子を持つ親なら共感できるのではないでしょうか。
もうひとつ共感できるというと父親像。
「他のお母さんには良い顔するよね~」とか「子どもの謀殺されて、リビングで寝てしまう」とか‥‥。身に染みます。
そして相変わらずの細田守監督ならではの映像美。今までの集大成的なシーンが数々ありました。圧巻は未来の東京駅。こんな構造よく思いつくなぁと思っていたら、これはプラレール的なものなんだと。子どもが描く未来の駅ってこんなカンジだったよなぁと。
みんながいうほどひどい作品ではないかなぁと。あくまでオムニバス映画としてみればね。