★★★☆
「市子」ですっかりファンになってしまった杉咲花主演。
“52ヘルツのクジラ”とは、他の仲間たちには聴こえない高い周波数で鳴く世界で1頭だけのクジラのこと。海の中で鳴き続けても届くことはない。
本作は、家庭に人生を搾取されてきたキコ(杉咲花)のもとに、家庭虐待を受けた「ムシ」と呼ばれる少年をかくまうところから話が始まる。
その後、キコの過去が描かれ、家庭を飛び出すきっかけを作ったアンさんや親友、恋人との物語と繋がる。
家庭虐待、家出、格差、トランスジェンダーなどこの世界の嫌なものが詰め込まれた映画でした。
「キリコ(キコ)には心から幸せになってもらいたい」というアンさんの気持ち、クライマックスと涙なしでは観れません。
「市子」で幸薄役をやらせたら最強女優になった杉咲花は、またその魅力を存分に発揮してくれました。
まじではまり役でした。
あなたの叫ぶ声、誰かに届いている。そう信じたい世界がありました。