Life is a showtime

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(映画)あんのこと@伏見ミリオン座~抜けれないループ。世知辛いこの世の中。

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★★★☆

21 歳の主人公・杏は、幼い頃から母親に暴力を振るわれ、10 代半ばから売春を強いられて、過酷な人生を送ってきた。
ある日、覚醒剤使用容疑で取り調べを受けた彼女は、多々羅という変わった刑事と出会う。大人を信用したことのない杏だが、なんの見返りも求めず就職を支援し、ありのままを受け入れてくれる多々羅に、次第に心を開いていく。
週刊誌記者の桐野は、「多々羅が薬物更生者の自助グループを私物化し、参加者の女性に関係を強いている」というリークを得て、慎重に取材を進めていた。
ちょうどその頃、新型コロナウイルスが出現。杏がやっと手にした居場所や人とのつながりは、あっという間に失われてしまう。行く手を閉ざされ、孤立して苦しむ杏。そんなある朝、身を寄せていたシェルターの隣人から思いがけない頼みごとをされる──。(Filmarks)

 

毒親、薬物、自傷、虐待、売春、再生、転落……。

重い。

杏を演じる河井優実の演技に脱帽。過去では『由宇子の天秤』の女子高生役で出てたのですね(これも重い映画ですが)。

一つの再生のきっかけを作る刑事。とその失望。

その後に起こる、もう一つの再生。とその結末。

 

この転落と再生が繰り返されるの人生のストーリーが、薬物の依存と更生とリンクしているように作られている構成も面白いです。やっと抜けれそうでまた引き戻される。

薬物だけでなく、万引きをやめるシーンとするシーンとかも。脚本としてもそれが複層的に重なって、より重く感じるのですけど。

 

稲垣吾郎が吾郎節で良かったです。

それぞれの立場、時点での最善を選んだつもりが、結果、正義なのかというとどうなのか。というか「正義」って難しい。

 

観ながら思い出していたのは『市子』。抜けれそうで抜けられない負のループ、運命というものはそういうものなのでしょうか。『市子』『ミッシング』『空白』と最近、そういう映画が多いなぁと感じます。というかそういう映画ばかり観ているのでしょうね。

annokoto.jp