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(読書)さよなら小沢健二/樋口 毅宏

数年前にヒットした『タモリ論 』を書いた著者のコラム集。映画、音楽、本などサブカルに関するコラムを集めた本になります。間違っても小沢健二についての考察集ではありません。(本当に一部に載っているだけです)

タモリ論がしっかりとした「お笑い」についての考察が書かれていたので、これは残念です。ぜひ著者の小沢健二論を読んでみたかった。

一応、最後にオザケンに対しての想いは書かれています。それは「僕が思っていたオザケンはこんなもんじゃねぇだろ!」というものでした。長期の活動休止から流星のように復活した彼ですが、どうしても過去のものに引っ張られているというものでした。

 

確かに復活後のライブにはすべて行っていますが、その雰囲気は否めません。ファンが欲しているのは、あのキラキラしたオザケンなのですから。。。ただそれをオーケストラにしたり、美術館でやったりしたりと切り口を変えただけではないのか。過去のキラキラをアップデートしたものにしたりしているだけではという指摘はもっともなところです。

 

ただ僕が思いつくかぎり、一世を風靡したものの、その過去に縛られずスタイルを変えて活動している人ってほとんどいません。ミュージシャンで上手くいっているのは、坂本龍一ぐらいかなぁ。ただオザケンにはその素養がある気もします。

 

人生で一番多感な10代から20代に触れたものは、その後の人格形成に大きな影響を与えます。僕の場合は、それがオザケンであったり、村上春樹であったり、ちょっとした映画だったりします。

著者にとってはそれが、オザケンであり北野武でありプロレスであり町山智弘であったのでしょう。そんな著者の影響を受けたものが詰め込まれたエッセイ集でした。

 

さよなら小沢健二

さよなら小沢健二