松坂屋美術館で草間 彌生の展覧会をやっているというので行ってきました。基本的にデパートの美術館の展覧会はあまり良いイメージがないのですが、松坂屋美術館でもこういう展覧会やるんですね。
企画展『永遠の永遠の永遠』の内容は?
今回の企画展は、「愛はとこしえ」「わが永遠の魂」という連作が基本となります。壁中にこの連作が並べられています。モノクロの「愛はとこしえ」、カラフルな「わが永遠の魂」。圧巻は圧巻なんですが…。
個人的にはこの連作よりもオブジェとしての展示のほうが印象が強かったです。
「チューリップに愛をこめて、永遠に祈る」
こちらは写真OKでした。
続いて、「魂の灯」という部屋があります。こちらは圧巻です。こちらは写真NGなのですが、ガラス張りの部屋に、赤・青・黄・緑などに変化する色の電球がぶら下げられています。
永遠に続く、電球の明かり。
まさに水玉の草間ワールドの頭の中に立たされた気分になります。
あと、「水玉の南瓜」も展示され、こちらも写真撮影可能です。
少ないスペースに凝縮されて展示は、デパートの美術館ではいたしかたないところですね。
草間彌生が知りたくなったら自伝『無限の網 草間彌生自伝』を読んでみよう
世界で活躍する日本人の芸術家って数名です。
その先陣を切って世界へ出ていったのが草間彌生だったのが本書を読むと良く分かります。
1ドル360円の時代。単身でニューヨークへ。
無名時代の初期。
多くの芸術関係者と知り合い、尻あがりに一線にのぼりつめるイケイケの時期。
世界で「クサマ」を有名にした「ハプニング」。
それができた原因でもある彼女なりのコンプレックスも包み隠さず書かれています。
彼女が凄いのが、もはや重鎮であるのにも関わらず、
今も第一線で活躍し、作品を生み出し、それが評価され続けている点です。
「老いてなお元気」
という言葉がふさわしいです。
ちなみに松坂屋美術館の入口で今回の制作現場の制作風景の映像が公開されていて、最近の様子が見ることができます。
本書の最後にはこう書かれています。
人生は真実素晴らしいとつくづく思い、体が震えるほど、芸術の世界はつきることなく興味があり、私にはこの世界しか希望のわく、生きがいのある場所は他にないのだ。
そして、そのためには如何なる苦労をしても悔いはない。
私はそのようにこれまで生きていき、これからもそう生きていく。
自分の本当の人生の目的を見つけたらこう言い切れるのだと思う。
- 作者: 草間彌生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/03/28
- メディア: 文庫
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