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(読書)上海フリータクシー:野望と幻想を乗せて走る「新中国」の旅/フランク・ラングフィット~中国の現地人の考え方がわかる本

中国に派遣された海外駐在員が上海で無料タクシーを営む。運賃の代わりの現地人の話を聞く。現地人との会話を通して、現地人が何を考えているのかを掘り下げていく、というものなのだが、掘り下げ方がかなり深い。田舎の結婚式に行ったり、行方不明者の捜索をしたり……。

(ただ翻訳が悪いのか、結構読みづらいかったです…)

 

中国の影は日本でも散々伝わってきます。もちろん格差や腐敗、権力批判のタブーなどいわゆる僕らがイメージする中国の闇のエピソードも出てきます。

しかし印象的だったのは、アメリカに留学をした中国人が、しかしトランプも同じではないかというところ。民主主義はバラ色と思っていても、こうした闇は資本主義において程度の差はあれ発生している。

 

「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外のすべての政治体制を除けばだが」と言ったのはチャーチル。欠陥だらけの民主主義を指摘しています。

幾人かの中国人は、「習近平は素晴らしい指導者だ」といいつつ、彼ではない悪い指導者が権力についた場合を考えるとぞっとするということを述べています。

なるほど、強権的に腐敗を排除し、環境問題に取り組もうというスタンスは現地人からしたら素晴らしい指導者に見えるのかもしれません。

外交は選挙の票につながりにくいというのは日本でも同じであるように、民衆が興味があるのは、経済だったり自分の身の回りのことですもんね。

 

なかなか厄介な隣国。そんな隣国を抱える日本。そして、日本もまた御多分にもれず民主主義の機能不全に陥っているとしか思えないのですが…。