★★★☆
評判を聞いて鑑賞。
なんと蒲郡が舞台映画。何度も行ったことがある場所で、いくつか恐らくあの辺りだろうという場所がでてきました。
さて内容です。
女子中学生の添田花音はスーパーで万引しようとしたところを店長の青柳直人に見つかり、追いかけられた末に車に轢かれて死んでしまう。娘に無関心だった花音の父・充は、せめて彼女の無実を証明しようと、事故に関わった人々を厳しく追及するうちに恐ろしいモンスターと化し、事態は思わぬ方向へと展開していく。
というなんともシリアスなヒューマンドラマ。
まずは古田新太、凄すぎ。
ここは蒲郡。愛知県の人はわかると思うでしょうけど、競艇場があり、漁港がある、いわゆるガラが悪い地域。本当にこういう人居そうである。娘や加害者、元妻、後輩などに当たり散らす。自分の否を認めない。
でも少ないながらも、子どもたちを叱るときを思い出し、自分にもこういう部分あるよなぁとも思ってしまいます。
もう一つ、気になったのは、寺島しのぶ。
松阪桃李演じるスーパー店長と同じスーパーのパート。どこかしら空回りなポジティブさ、ボランティアやNPOを手伝ったりもしている。でも「正しい」を押し通す。それが「正しい」と思っているから。
そしてそれが痛々しい。
そういえば、この映画でもマスコミの取材の切り取りやSNSの誹謗中傷が取り上げられていました。自分たちは正義。これは先日観た「由宇子の天秤」でも取り上げられていました。
みんなが「正義」を振りかざしがちな現在。それは物事の一面しかとらえていない。この映画のように、みんなが正しいと思ってやっていても、それは嚙み合うはずもありません。
ある希望はやはり寛容なのではないでしょうか。