★★★
フィンランドの名監督アキ・カウリスマキが引退宣言を撤回して撮った最新作。といいつつカウリスマキ作品は初めてでした。
北欧というと高い福祉水準というイメージですが、本作で描かれているのはそうした高福祉を支える階層のお話。監督の多くの作品のテーマで描かれているテーマということです。
今回は、スーパーの検品をする女性(クビになるのだが)とアル中&チェーンスモーカーの工場労働者(これまたクビになるのだが)のちょっとした恋愛物語。
なんとも中学生みたいな恋愛です。
ちなみにアル中とチェーンスモーカーも監督の作品にはいつも出てくるということ。下層の社会を描く映画は、世の東西を問わず多くあるけれども、そんな階層の無駄を省きシンプルに描くあたりが北欧映画らしいともいうのでしょうか。
食卓のラジオから流れるウクライナのニュース。それが現実と映画をつないでいます。