Life is a showtime

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(読書)稼ぐまちが地方を変える/木下斉

まちづくり本ですが、起業をしたい人にとっても有効な1冊だったと思います。

それは著者のまちづくりの考え方が、補助金に頼らず民間資本でやっていくものだという考え方に基づいているからでしょう。
 
そんな中、アメリカのまちづくりの例がでていました。それは不動産オーナーが連携し、魅力的なショップを誘致→エリアの価値が上がる→地価が上がるいうサイクルでまちづくりをしようとするものでした。アメリカ的というか資本主義的なアプローチですよね。
 
著者の取り組むまちづくりもこれが基本です。意識するのは「お金」の流れです。
まちづくり会社のようなものを立ち上げる時には、第一の顧客は不動産オーナー、第二の顧客はテナント、第三の顧客が消費者という流れで考えます。
例としては、雑居ビルのゴミ収集などの雑務をまちづくり会社がまとめて管理。まとめることによってコストダウンを図ります。下がった経費の一部が、まちづくり会社に回され地域の為に使われるという仕組みです。
 
誘致するテナントについても、大手チェーンではなく、地元資本のもの。大手チェーンではお金が外部に流れていきます。ここでも「お金」を意識しています。
 
「お金」を意識するということは、まず「営業」ありきで組織を考えていることになります。これは起業する場合であれば当然なのですが、ことまちづくりになるとあまり意識されません。それは公共性という概念を盾にとって、営業について考えないようとも見えます。補助金頼みの公共事業の限界はここにあります。
 

まちづくり 10の鉄則

「お金」の流れを考えてのまちづくりを進めるにあたり、本書では10の鉄則がまとめられています。

  1. 小さく始めよ
  2.  補助金を当てにするな(継続的に利益ができる仕組みの構築)
  3. 一連托生のパートナーを見つける
  4. 全員の合意は必要ない
  5. 「先回り営業」で確実に回収(テナント営業→払える家賃設定)
  6. 「利益率」にとことんこだわる
  7. 「稼ぎ」を流出させるな(地元資本に還元させる)
  8. 撤退ラインは最初に決めておけ
  9. 最初から専従者は雇うな(兼業の方が効率的)
  10. お金のルールは厳格に
こうしたことは実は起業においても共通のことが言えますよね。実際、まちづくり「活動」ではなく「事業」として捉えることが、著者の考え方です。
 
もうひとつ、起業と同じく「やるか、やらない」だけが評価基準になります。これまたグサッとくる一言ですね。