話題の中国発のSF超大作「三体」。
ハードカバー5冊という超大作です。やっと読了しました!
正直はⅠの最初は読みづらいものの、ゲームの設定というとっつき易い項目を入れることで、途中からスピードアップ。
Ⅱでは、三体文明との攻防あたりは、どうなるんだろうとどんどんページが進みます。正直、ある程度予想がついた終わり方で一件落着。
ここで終わってもいいはずなのに「Ⅲ」がさらに上下巻あるってどういうこと⁉ 「Ⅲ」ではもはや銀河系・時空を超えて、文字通り「次元」の違う話になります。
「Ⅱ」以降、本作品読みやすかったのは、冬眠によって時代をどんどん飛ばしてくこと。技術が開発されるまで冬眠することで、いわば大事なシーンを拾い読みするようにストーリーが進むことがテンポ感を生んでいました。
あとは圧倒的な宇宙空間の描写でしょうか。「Ⅲ」の太陽系が●●崩壊する描写はもうおぉーーー、そうなるのか……唸ってしまいました。
三体の始まりは文化大革命の描写からスタートします。ここで今の地球は腐っている。より高度な文明に地球を正してもらおうというところから始まります。しかし宇宙はそんなに甘いものではなかった。
はるかに進んだ未来では、西暦時代(21世紀のころ)のことを羨む描写も出てきます。最悪だと思っている今も振り返ってみれば、良い面があったということです。つまり思い出は美化されます。これも人の一面です。
これ以外にも、さまざまなシーンで人々は感情的になったり、その時点では最適だということも結果としては遠回りだったり、誤っていたということが多々描写されます。SFなのだけれども人文的でもある部分も本作の魅力だったと思います。
壮大なスケールと整然とした描写、理解できる人文的な部分、冬眠によるテンポ感。これらが合わさってこのSF超大作のヒットとなったと思います。
コロナ禍で時間がある今だからこそ読んで良かった作品でした。