Life is a showtime

やりたい事とか日記とかをつれづれなるままに……

(映画)君たちはどう生きるか@109シネマズ名古屋~宮崎駿監督によるごちゃ混ぜの遺書か!?

f:id:mailto1979:20230826214600j:image

★★★★

 

全く宣伝がなかった宮崎駿最後の作品。色々な考察がネットに溢れており、やっと観てきました。

 

ストーリーは簡単にいうと、母と死に別れたれた少年が、下の国(黄泉の国?)に紛れ込むという話。

しかし一度観ただけでは、よくわからないが圧倒的なものをみせられた感じがします。

 

少年が母を訪ね、このコンプレックスを克服するという話が世の東西を問わずよくある定番ネタです。そこに宮崎駿監督、最後の作品という要素が加えてみることで、色々考えさせられます。

下の世界の微妙なバランスをとっていた祖父。それは監督自身なのでしょうか。この世界を次の世代に継いでほしかった。しかしそれは祖父側の勝手な意志であり、子どもたちは自分たちで道を選ぶ。

世界のバランスが崩れたとき、祖父が「時の回廊へ行きなさい」「自分たちの扉へ入りなさい」という言葉が、胸に突き刺さりました。死ぬ運命が分かっている母ですら戦災にあうという未来へ戻っていく。

 

映像表現的には、今作、鳥がいっぱいでてきます。ビジュアルになっているアオサギ(まさかな描かれ方で、なぜこんな絵を思いつくのか!)、ペリカン、そしてインコ。

アオサギは、なぜこんなキャラクターを思いつくのかということに驚きです。

ワラワラという生命の卵を食べるペリカン。しかし老ペリカンの言葉により善悪というものが一面的だということを気づかせます。

そしてインコ。これは大衆の象徴なのでしょうか。

鳥以外にも7人の女中(まるで白雪姫と7人の小人)。この描き方が、もののけ姫のような、いかにもジブリ作品の描写です。

 

前作「風立ちぬ」で、監督は、「創造的人生の持ち時間は10年だ。設計家も芸術家も同じだ。君の10年を力を尽くして生きなさい」という名言を残しています。

本作は、フレーズではなく、なんだか分からないが、偉大な監督からの次の世代へのメッセージを感覚的に受け取れる一作でした。