★★★★
パルムドール受賞でなくとも是枝監督の最新作ということで、観に行かなくてはいけない作品。
日本称賛的なことが多く伝えられる日本において、みんなが目を背ける部分、「貧困」ということを正面から描いた作品でした。「貧困」があることを実はみんな知っている。だけど目を背けたくなる。
ただテーマとしては「貧困」でもそこに流れる個々のストーリーの描写はさすが是枝作品といったところです。
「血がつながらい中での絆とは」「子どもから大人への意識の変化」といったところもしっかり描かれています。
作中でいくつか印象的なシーンがあります。
そうめんを食らうリリーフランキーと安藤サクラ。セミの脱皮シーン。松岡茉優の風俗客とのシーン。花火の音を聞くのシーン。
そして何といっても安藤サクラの「母について」涙を流すシーン。
安藤サクラという女優力って凄かったです。涙のシーンはもう、なんというか、画面からの圧が凄かったです。
言葉では言い表せない、様々な問題が複層的に描かれているのは是枝作品の特徴です。本作もそんなもう「観て!」というしかない作品になっています。
ぜひ劇場で。