
『自壊する帝国』で初めて読んだ佐藤優。ロシア通、そして鈴木宗男とともに収監された外交官であった著者の原体験としての高校一年の40日間のソ連・東欧一人旅の旅行記となります。
エジプト経由スイス⇒東ドイツ⇒チェコスロバキア⇒ポーランド⇒ハンガリー⇒ルーマニア⇒ソ連(ウクライナ⇒ロシア⇒ウズベキスタン)という旅程になります。
1975年という年代としての共産圏の旅行記として貴重で秀逸。沢木耕太郎の『深夜特急』もですが、人の原体験となる旅行というものを追体験できます。そして何よりも読みやすい。上下巻で1,000ページ弱ありますが、あっという間でした。
出てくる人が度々言う、「高校生のあなたにとってこの旅は、人生の転機になる旅になるだろう」ということがまさにです。この旅で著者の骨格ができたのでしょう。これが若い時に旅に出る真髄です。
多くの人に出会い交流し、楽しいこともあったりトラブルにあったり、そして助けてもらったり。
著者もあとがきで書いていますが、著者は本作を通じて2つの旅行をしました。ひとつは1975年の夏の一人旅、もうひとつはその旅を思い出しながら書くことによっての時間旅行をしました。
そんな大長編の旅行記は、僕を非常に懐かしい気持ちにさせてくれました。

