18年後の未来について書かれた本。
18年前って、2004年。インターネットは当たり前だけれどもスマホ以前。
テクノロジー、経済、生活、災害と4つのジャンルに分けて書かれています。
テクノロジーについては多少明るい話題もあるが、全体的に暗い未来が書かれています。
日本という国にいる限り、老人が溢れ、年金・税金・医療が経済を圧迫するのは確実です。天災も確実に降りかかってくるでしょう。
既存の価値観である学歴は、人手不足とグローバル化から意味をなくし、所有からシェアへと重きが変わることが予想されています。
著者は、未来は現在にすでにある技術や傾向が、普及・拡大すことで未来が形作られるとしています。
高齢化はすでに始まっていますし、温暖化もすでにあるものです。テクノロジーにおいても通信容量は増えることで、センサー技術が発達し、繋がる社会がやってきます。医療や食についても、遺伝子技術はすでに発見されているものが普及をする。
さて描かれた未来は、なかなか暗いものでした。
著者があとがきで書かれている言葉が印象的でした。
いつの時代も高齢者は将来を悲観し、若者は未来を楽観する
テクノロジーが暗い未来を解決してくれるはず。その兆候をみるのが若者ということなのでしょうか。まさしく「未来は僕らの手の中」の状態ですね。
ただ本書の話半分でも、日本の未来は明るくないということは確実です。そしてこのことはみんなわかっていたけれども、この10年間、政治も経済も、東日本大震災も新型コロナウイルスも、結局日本を根本的には変えられなかったというのが事実です。
悲観に暮れる読者に、もう一つ著者の言葉から。
今、これを読んでいるあなたは、国を忘れて、これからの時代をどうやって生き残るのかをまず考えるべきだ。どうすれば幸せな人生を送れるかに全エネルギーを注ぐのをオススメする。(中略)生き残るのは優秀な人ではなく、環境に適応した人であることは歴史が証明している。
想定される環境として本書が示した未来は参考になります。まずは自分の幸せを確保せよというのは橘玲氏にも通じるものがあります。