以前から気になっていた本。
なによりこの本の表紙デザインは素晴らしい。日本代表のブルーと、ミスチルの「Atomic Heart」という金字塔のアルバムを模したこのデザインを思いついた人は、心をつかむデザインができる閃きがあったんだろうなぁと想像されます。
さて本書は、90年代から平成の終わりまでをその時代を駆け抜けたモンスターバンド「Mr.Children」とサッカーブームからスタートした日本代表の軌跡を繋いでの対談で構成されています。
サッカーでいうと、フランス大会・中田英寿・オシム時代・長谷部・本田といったあたりになります。
共通するのは、「終わりなき旅」。
それは「自分らしさの探求」がもてはやされた時代。そしてミスチルとサッカーの成熟とともに、この概念からの脱却に至ったのではないかということで結ばれている。
サッカーについて言えば、「自分たちのサッカー」が当人たちが許容できる範囲のリアリズムを混ぜ込んでいった2018年だった(予選の最終戦の時間稼ぎなど)。
一方、「自分の話」をしてた90年代のミスチルが、「社会の中でのバンド」のあり方を模索すようになった近年。
これは共に、成熟期というと聞こえがいいのかもしれませんが、年を取ったということなのかもしれません。大人になったというかなんというか‥‥。