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感情移入できるブラック企業対峙小説~風は西から/村山 由佳

”タミオは広島のタカラだ”

 

本書のタイトルは、奥田民生の名曲「風は西から」から取られている。全くあらすじを知らずに、爽やかは恋愛小説だろうと思って読み始めました。冒頭は本当に絵にかいたような爽やかな20代の恋愛小説でした。

それが途中から彼が務める居酒屋チェーン『山背』がブラック企業であることがわかり、その後の闘争劇となていく。

 

こう書くと企業小説な雰囲気でしが、女性作家らしく、あくまでも爽やかなタッチで描かれる。なので読みやすく、そして被害者に感情移入できる。企業の体質に、読んでいて腹が立ってきます。

 

本書の居酒屋チェーンのモデルは当然、「和民」です。参考文献にも書かれています。最近はあまりにイメージが悪くなったので、「鳥メロ」という名前に変えたりして営業しています。

 

ブラック企業の根本は、創業者って自分にもできたのだから、お前たちもできるだろう、という気質があるからでしょう。

そして若者のやりがい搾取ともとれる企業体質。逃げるのも手です。だけど人間って現状維持バイアスが働くので、なかなか逃げることもできないのですよね。

ちなみに、最近のワタミですが、結局変わっていないみたいです。

「ホワイト企業」宣伝のワタミで月175時間の残業 残業代未払いで労基署から是正勧告(今野晴貴) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

タイトルから読んでみた小説ですが、思いのほか面白かったです。

 


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