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国際芸術祭「あいち2025」に行ってきた

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引き続き、芸術の秋ネタです。3年に一回やっている国際芸術祭「あいち2025」の開催イヤーですので、今回も行ってきました。

以前は、「あいちトリエンナーレ」という名前でやっていましたが、2019年の慰安婦像問題で、前回から国内向けについては名前を変えて(英語は引き続きトリエンナーレ)やっています。

2019については、署名捏造やら市との裁判やらで泥仕合があり、前回から名古屋市美術館の展示がなくなっています。あくまでも県のイベントとなっています。

 

ということで今回の展示は、愛知県美術館愛知県陶磁美術館/瀬戸のまちなかという3会場となっています。

 

瀬戸のまちなか

 

栄町駅から名鉄瀬戸線で30分。その昔、瀬戸電という名前で、瀬戸の陶器を運んでいた路線になります。

のんびりと郊外へ向かう電車でまず瀬戸のまちなか展示を観にいきます。このトリエンナーレシリーズで好きなのは、まちなか展示。その町の歴史をアーティストが再解釈をして作品にしているところが面白いのです。

瀬戸駅は瀬戸の街中を流れる川のほとりにあります。つまり一番低い場所になります。この川に向かって南北の山がある形になります。作品も駅の南北に点在している形になります。

昼からの鑑賞だったので、まずは腹ごしらえと「KUMA BUGER」というハンバーガー屋さんになります。こちら北側のエリアにあります。

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階段を下りて民家を改装してやっているハンバーガー屋になります。これは知っていないといけないですね。とりあえず腹ごしらえをしました。

 

作品は北側から見て回ります。

無風庵→加仙鉱山→深川小学校とまわります。一番印象に残ったのは、加仙鉱山。実際に粘土を出荷している工場に設置されたロバート・アンドリューの作品になります。2つあり、土の中に埋め込まれた文字(「ブル」(大地から空、そして時間を含む、周りに見えるすべてのもの))が糸がまきとられることで浮き出てくる作品。

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もうひとつが、土の上からみずを垂らし、文字が出てくるというもの。

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埋もれた糸(内部からの力)で文字が浮き出てくるというストーリーと外からの力で文字が浮き出てくるというストーリーの両方が出てくるというところが面白いです。

この加仙鉱山で、スタッフの方に声をかけられて、この工場のお話を伺えました。この工場の土が世界中に出されていること。そして陶芸家を金銭的にも支えてきたこと。日本の陶芸家は土に恵まれていて、海外に行くと腕が落ちたと感じるという話など面白く聞かせてもらいました。

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こちらは粘土を抽出している機械。これも土がたまって、これもまるでアートの様です。

 

余り時間がなかったのですが、南側では瀬戸市美術館と旧日本鉱泉(銭湯)を見学。瀬戸市美術館の常設展で、過去の瀬戸の写真を展示していました。山肌で土を切り出す様子など、戦後すぐの写真などがあり、北側の丘陵を歩いてきただけに、こちらも意外と時間をかけてみてしました。

 

愛知県美術館

夕焼けに向かって走る瀬戸電に乗って、栄町まで。行きの電車とは違い、学生が多く乗り込む、夕方の郊外電車の風景でした。

さて愛知県美術館ですが、90分ほどで駆け足で観ました。

まずは入口入ってすぐにある非常にビジュアル的にインパクトのある、ムルヤナの作品。

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毛糸で編まれた海底の世界観が映える!一方、白のみで編まれたサンゴらしきモニュメントもあり、これも白骨化した世界(死後の世界)との対比でもある。

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今回の「灰と薔薇のあいまに」というキャッチフレーズに沿った作品でした。

 

もうひとつ、その隣にあった杉本博司さんの写真と太田三郎さんの東山動物園の絵画の展示も惹かれるものがありました。

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一番はやはり、この白熊とペンギンの写真。不思議ですよね。

本当そうで本当ではない世界の写真。

 

同じ部屋に飾られている東山動物園猛獣画廊も、戦争で空いてしまった檻に展示された絵だという話を聞くと、これはリアルではない現実。

この2つが同じ空間にある不思議を感じることができる変な感覚におちいる部屋でした。

 

駆け足で観たのですが、あとは陶磁美術館もありますので、どこかで行ってみたいと思います。

それにしてもこの国際芸術祭「あいち」ですが、同じ作家を展示しないという方針のため、どうしてもキャッチ―なアーティストがブッキングできない、地味なラインナップになっていきます。越後妻有や瀬戸内が作品を残していくことで、地域にアートが蓄積されるのに比べるとなかなか難しいところです。

とはいえ、現代アートの展覧会(とくに街中展示)は、行けば面白いのですけどね。